2010年。
つかこうへい氏が亡くなりました。
しかし!紀伊國屋ホールの『熱海殺人事件』は終わらない。
2011年。
紀伊國屋つかこうへい復活祭と題し、つかこうへいの原点『熱海殺人事件』が上演されることとなりました。
チケット代は破格の2500円!!
チケット代は安くなくてはならないというつか氏の思いがあっての値段だそうです。
そんな『熱海殺人事件』に柳下大クンが出ると知り、期待と不安に胸がふくらむ毎日でした。
つかこうへいさんのお芝居は独特のセリフまわしだし…。
稽古が始まった当初はかなり悩み苦しんでいたようですが、
いざ、幕が開くと、そんな私の心配など必要なかったみたいです。
そこに立っていたトモくんは、高いハードルを超えて、さらに魅力的な役者さんになっていました。
『熱海殺人事件』。
私は過去にこの作品を3回観ています。
初めて観た時の興奮はスゴかったです。面白かった!!お腹をかかえて笑った記憶があります。
大阪で観て、あまりにも面白くて、東京のチケットも取って東京まで観に行きました。
この時のメンバーが私にとっては印象深く残っていました(今回観るまでは)。
(木村:池田成志、水野:平栗あつみ、熊田:春田純一、大山:山崎銀之丞/敬称略)
その後に、阿部寛さんがゲイの部長刑事に扮したモンテカルロイリュージョンも観ましたが、
あまりにも内容が変わっていてビックリでした。
そして、今回の初版熱海殺人事件。
ストーリーも私が知っているものと違いました。
私の記憶にある『熱海』は、木村刑事と水野婦人警官の関係重視だったのに対し、
今回のバージョンは犯人大山と殺されたアイ子の関係が大きく描かれていました。
だから、その分クライマックスシーンはせつなかった。
泣かされた。
トモくんすごかったよ!!もうホントすごかった。
2/12(土)~14(月)までの3日間、合計5公演観劇。
H列センター、H列センター、B列センター、A列上手サイド、P列センター。
でも、もっともっと観たかった。
全てが完璧とはいいづらいところもある。
でも、心にうったえかけてくるものがある芝居だった。
だから満足できたんだと思います。
以下、ネタバレ。(もうすでに少しネタバレしてるか?苦笑)
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『熱海殺人事件』NEXT~くわえ煙草伝兵衛捜査日誌~
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:木村伝兵衛部長刑事=山崎銀之丞、婦人警官片桐ハナ子=長谷川京子
犯人大山金太郎=柳下大、熊田留吉刑事=武田義晴
おはなし。
田舎者の職工が、熱海の海岸でたまたまあった腰ひもで女工の首をしめて殺した、
という新聞の三行記事にしかならないような事件の犯人・大山金太郎を、
あーでもないこーでもないと尾ひれをつけ超一流の殺人犯にして送り出す。
最初は勝手な理想をガンガン押し付けてくる刑事たちに閉口気味、途中逆ギレしていた大山だったが、
徐々に犯行当時の気持ちを思い出し、立派な犯人に成長し、
それと共に新任刑事も自らをかえりみ、成長する、といったカンジ。
(簡単に言いすぎですが。苦笑)
オープニング。
チャイコフスキー「白鳥の湖」が流れる中幕が上がる。
木村伝兵衛部長刑事が電話口で怒鳴っている。
そこへ旅行カバン片手にやってくる新任刑事熊田留吉。
変わらないオープニングに胸がおどる。
さすがの二人。最初から怒涛のやりとり。
そして、もぐる女(笑)、婦人警官片桐ハナ子。
婦人警官がこの名前のバージョンは初めて観ます。今まではずっと水野朋子だった。
ハセキョー細い!!
キャスト紹介は生。
犯人・大山金太郎の登場はあくまでもカッコよく。
「あそこにいるよ!」という部長刑事の言葉で客席からEXILE「24karats」を唄いながら登場。
ヒゲにサングラス。ヒゲも染めてたチックに見えた。
キャスト4人揃い、「タラのテーマ」と共に敬礼。
1輪の花をお客さんにプレゼント、そしてまた違う方と握手&手の甲にキス。
やっぱり大山の登場は派手にカッコよくがいいよねぇ。
うんうん。
千秋楽はトモくん、かなり大きな声で唄ってた。
たぶん、それまでは少しセーブしていたんじゃないかと思うのだけど。
「海が見たいと言ったんだ」
出た!出ましたよ。
聞きたかったこのセリフ。
熱海ですよ、熱海(テンションあがってきています。笑)
そして、サングラスを取って捜査室に腰かけ、丸メガネのさえない男に。
ここから怒涛の取り調べが始まっていく。
スナックで酒に酔ったことにしたい刑事に対し、「喫茶店だよ」と譲らない大山。
この言い方がかわいかった(笑)
「喫茶店だよ」って何回言ってたんだろ(笑)
でも、だんだんのせられて…4人で踊るAKB48「ポニーテールとシュシュ」。
これまたカワイイ。踊れるって素晴らしい(笑)
でも、結局頑なに「喫茶店」、マイアミという喫茶店に行ったという大山に、何とか話を合わせて海への流れをつくる刑事たち。
くわえ煙草伝兵衛の中だるみ解消法。
「よ~し、逃亡しよう!」と逃亡し、丸めがねにほうきでハリー・ポッターになって逃げる。
ハリーポッターネタ。
これね、私ハリーポッター見ていないからストーリーとか登場人物はハリポタ以外わからない(苦笑)
単純に笑えたけれど。
バック転も見られたし。サービスありがとう。
その後、歌舞伎のくもの糸。白浪五人男からきているとか聞くのだけど、これも実際見ていないのでわからないワタシ。
殺された山口アイ子のことをブスだと連呼する部長。
部長が「ブス」という単語をいうたびに、反応する大山がちょっとお気に入りでした(笑)。
いろいろ言う刑事たち。
でも、なかなか“普通”から抜け出せない犯人。
「そろそろお前に飽きたしな」
という言葉に少し不安になる。
百姓。この言葉をきっかけにキレる大山。
この後にも出てくるワード。
犯人としての自覚が徐々に芽生えてくる大山。
けれど、いくら言っても無駄だ、所詮その程度の犯人だと思われ、皆去っていく。
一人残される大山。
思い返す熱海の海岸。
1人2役で会話の再現。
途中、寝転がって涙をぬぐい「ガンバロ」。にキュンとくる。
「初めてだよ、海に来たのは…」泣いてしまって、「ダメだ」と去ろうとする。
そこへハナちゃん、おにぎり持って登場。
要所要所でハナちゃんは大山のことを助けてくれてる。
今度は二人で会話の再現。
ハナちゃんがアイちゃん役。
始めてみるも、ハナちゃんのアイちゃんは「う゛ん゛」「あ゛だじも゛」みたいなしゃべりで
イマイチのれない大山(笑)。
そこへシャワーキャップのとめきっつぁん登場。
彼もなんだかんだで優しいんだよね。
太陽がまぶしかったから(殺した)。
カミュの「異邦人」。
やったーやったー!など言っているところへ、部長刑事登場。
ここへきて、なおネタのオンパレード(笑)。
“ラブ注入”まで登場。
銀之丞さんがイマイチのどどすこを披露。
違うとトモくんが完璧などどすこを披露(笑)
ちなみに、千秋楽の14日はバレンタインデーということもあり、
いつもの「新羽田国際空港」のところを「バレンタインデーキッス♪」に変えて唄ってくれました。
ハセキョーは、できるだけやらずに済ませたそうでしたが、
拍手が何度も起こったり、ご両親が来られていた回には(親孝行になるでしょうか?と言いつつ)
頑張ってちょびっとやってらっしゃいました。
なぜか日曜昼(だったかな?)は、トモくんがよく見てて下さいねってハセキョーさんに向けてやっていましたよ。
ラブ注入まで(笑)
ご両親が来られていた回だったと思います。
と、お遊びはココまで。
結局は金かと金を投げ与え、去る部長と熊田。
私が見た中では通常3万円だったけど、1回だけ2万円の回があったなぁ。。。
1万円行方不明。
残るハナ子。
やりましょう、と熱海の海岸。
流れる音楽、マイペース「東京」。
これまた熱海!って音楽。
「初めてだよ、東京に来て」
「何が?」
今度はきちんとアイちゃん。金ちゃんも、お!さっきと違う!と続ける。
二人の会話。
ここ、千秋楽一瞬ヒヤっとしました。お宮の松っちゅーとよ、の辺り。
(この日だけ観た人にはわからなかったと思うけれど)
大関になった一番を再現して、金ちゃんが「金ちゃーん、頑張らんねー」って言う時、
アイちゃんの口も「金ちゃーん、頑張らんねー」って動いてた。
B列で観た時だけ左目の端にとらえた(笑)。
いや、それ以外はどうしても金ちゃんだけ見ちゃうから(殴)。
金ちゃんがもう少し大人だったら。
アイちゃんがもう少し素直だったら。
そう思わせる。
「百姓ー!百姓ー!!」
アイちゃんの言葉に顔を歪める金ちゃん。
泣けるのですよ、この表情がもう。
音楽、大津あきら「さらばロー・トゥエンティー」。
アイちゃんへの思いを語る金太郎。
「あんうっちゃりは、あれはおいの全てばい」
腰ひもで首をしめる金太郎。
このシーン、センターから見るとこの瞬間の金太郎の表情は見えないのですが、
A列端席で観た時に、この表情が見えて…
それがもうめちゃくちゃ哀しくてせつなそうな表情で、泣けて泣けてたまりませんでした。
13日の夜、涙が止まらなかった。
顔をぐちゃぐちゃにして泣きながらも、思いを吐露する大山。
そこへ部長刑事登場。
「刑事さん」とすがる大山。
「汚い手でさわるんじゃねぇ」
アンディ・ウイリアムス「パピヨンのテーマ」が流れる中、菊の花束で大山を殴りうち、蹴りつけ、大山は客席に転がり落ちる。
パピヨンのテーマですよ!!
これも、熱海!!って曲です。ドキドキする。
そして、部長も客席におり、最前列のお客さんを抱きしめる。
コレ!私、今まで観た熱海はすべて抱きしめるだけじゃなくてキスしてたんですよね。
もちろん、口と口の。
モンテカルロは設定からして男の人と。
でも、今回はそれがなかった。
客層を考慮して?
大音量の音楽の中、部長の座る椅子を磨いたり、くつを磨いたり、こびへつらう大山。
村相撲の一番を再現してみせるシーンでは魂の叫び。
スゴイですよ、トモくん。
音楽を止める部長。
最後の仕上げ。
持ってけ、とコンバースの三つ星を放り投げる。
これも熱海定番。
きみとぼくの楽しいあやとり。
「やろうと思えばなんだってできるんだよ。踏ん張ろうと思えば…」
今回の事件を通し、熊田自身も自分の行動を振り返り、少し成長する。
ラスト。
「うん、いい火加減だ!」
エルビスプレスリーの「レット・イット・ビー・ミー」の流れる中、幕が下りる。
再び幕があがり、礼をした4人登場。
顔をあげると、センターの部長刑事の席にスポットライト。
その机には火のついたタバコが。
つかこうへい氏への敬意を表し、4人はその席へ拍手を促す。
いやぁ、良かったなぁ。
トモくんの演技。
本当に殻を破ったって言葉がピッタリだと思います。
カッコつけることなく、体当たりで、カッコイイ、カッコ悪い、カワイイ、本当にいろんな表情を見せてくれました。
これからの役者・柳下大が楽しみでしかたありません。
『熱海殺人事件』は、来年以降もキャスト・スタッフを変えつつ、上演を続けていく予定だそうです。
また、トモくんの大山金太郎が見られる日はあるのかな?
そして!
千秋楽の公演終了後、つかこうへい作品恒例の予告編がありました!!
やっほーい☆
題目は「蒲田行進曲」!!
客席のボルテージもヒートアップです!!
銀ちゃんだ!
トモくんはヤスでしたよ。
階段落ちこそなかったものの、「銀ちゃん、カッコイイ!」といって倒れるシーンはありました。
オトクだったなぁ。
これは、本当にある予告編ではないけれど、嬉しかったです。
最後の最後に銀之丞さんからキャスト紹介が。
トモくんは若手のホープって紹介されてたっけ?(あまり定かではないですが;;)
3人を紹介した後、銀之丞さん自身の紹介がされていないのを、
たぶんトモくんは気にしていたっぽかったんですが、結局そのままになっちゃいました。
まぁ、そのまま銀之丞さんがしゃべり続けていたので
(来年再演します!とか言っちゃうし。笑)、仕方なかったかもしれませんが(笑)
とにかく、楽しい3日間でした!!
ありがとう、トモくん!
ありがとう、熱海!
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